久しぶりに顔を出したシンガポール、街は活気に溢れ、拡張する経済のおかげもあって、都市部には最新の高層ビルとブランド・ブティックが建ち並び、日本のバブル時代のようにすべてが輝いて見えました。街に溢れる西欧人の数をみても、80年代の日本のようです。英語の公用語化の徹底もほぼ完成しており、英語のみで渡り歩くことが可能です。今回はあるイベントのキーノート・スピーカーを担当しましたが、セミナーは全行程通して英語のみです。集まった人はシンガポール人に限らず、全世界の人達です。気がついたのは、「外国人」というコンセプトが通用しない世界です。わざわざシンガポールのこのイベントのために日本やアメリカから訪ずれる人も少なくありません。
さて、英語についてですが、シンガポール人である若い華人達とも話しをする機会がありましたが、学校も英語が第一の公用語なので、本来は中国語を話すことが出来る華人同士でも、英語が普通に使われ、時として冗談めいて中国語を話すこともあるとか。英語の公用語化は諸外国との障壁を取り払ったため、数多くの外資系企業が低い税金も理由でシンガポールに進出しています。資源が無く、水さえも他国から買っているシンガポールは、英語の公用語化というオープン政策と強い対外交渉能力で外資を多く獲得しました。GDPの伸びをみても、シンガポールは立派な先進国になりました。完全なるオープン政策について、技術や頭脳の流出も話題になりましたが、実際に教育のレベルが高いシンガポールに才能のある学生が集まるだけでなく、この景気もあってシンガポールにこそビジネスのチャンスを求めて人が多く集まっているようです。米国で教育を受けたアジアの学生達も、不景気から抜け出せないアメリカから脱出してシンガポールを目指す人も多いようです。
金曜日の夜、街に溢れるのは若者ばかり。移民受け入れも外資誘導と重なって積極的なのでしょうか、様々な人種の若者が入り乱れています。移民がこの調子で入り続ければ、高齢化なんて問題にはならないのでしょう。経済が強いおかげか、人々のメンタリティにも違いが見えました。とにかく「ポジティブ」な意見が底を尽きません。セミナー後も議論は止まりませんでしたが、最近の日本でよく聞く諦めや絶望感のある嘆きは全く聞きません。誰もが未来を信じているようでした。止まらない会話はいずれホテルの屋上、プール脇のバーのVIPラウンジまで延長となります。夜風を浴びに集まる人の群れ、輝く夜景を背景に次から次へと開けられるシャンパンボトルの音、笑い声が耐えない会話を聞いて、不景気のアメリカからまるで別世界に来たような気持ちでした。