ずいぶんと昔に転職活動で面接にこぎつけた会社からの面白い質問を思い出しました。それは管理職のポジションであったので、「部下のレポートや計算を、その根拠である元情報を見ずに正誤を見極める方法を言ってください。」というものだったと覚えています。
もちろん、私は即座に「それは無理」と答えました。ましてや部下であても専門的な立場の人から上がってきた情報は、自分の知識では正誤の確認が出来ないし、PM論上は正誤の確認をする必要さえないのです。それでその情報が間違っていてプロジェクトが失敗すれば情報を投げた人の責任である、それで良いのか?というPart 2の質問については、不可能を可能と答えたくない、と返事をしておきました。
それから何年もたって、ある大きなプロジェクトのPMがSME(Subject Matter Expert)から上がってくる情報をそのままコピペしている姿を目にしました。特にスケジュールなど言われた通りです。私が「マネージャとして情報を吟味しているか」という質問に、担当は「何で自分よりも専門知識のあるSMEのスケジュールに私が反論出来るのか?」と言い返されました。
私は、情報の整理がPMの仕事だけなのか、という質問を投げかけ、議論が始まりました。例えば、三社見積りをとるように、統計学的に情報の正誤を確認できるという方法論には合意しましたが、それ以上のPMの責任については否定を続けるPMでした。
私は、同じ社会に暮らし、同じ文化を共有する人間はPMである以上に経験と知識のかたまりではないか、と言います。「直感力」と一般が言うものの本質は、統括的に情報を見極める力ではないか、と。突如素人が核心をつくような質問をして情報の正誤を見破る風景がまさにそれなのです。だから、私はPMに、情報を得たら、その情報の背景を全て把握してみろ、と言います。どういった状況でその情報が出てきたのか、という状況証拠を集める作業です。
そして「では、どういう質問をしたのか?」と聞きます。そのPMは「何も聞いてない。メールが来ただけ」と。私はどんなに白黒はっきりしていても、必ず大事な情報は電話で確認をしろ、と言いました。そして、その時に自分の全知識を使って質問をしてみろ、と。
そのPMは「それでもそれはPMの責任範囲外だ」と。自分の責任を定義通り果たすのが本当の仕事なのか、本当に問題を解決することが仕事なのか。議論その域まで展開しました。
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