前のポストと重複する内容かもしれませんが、「有能な社員が欲しい」とは良く聞く言葉ですね。結果主義、効率主義の米国では、もちろん利益を最大に出す社員が「有能な社員」の定義かもしれません。
だから、会社は「パフォーマンス」の測り方を明確にしておくわけです。例えばGM型と呼ばれるサイエンティフィック・マネジメントの世界なら、それこそ売上と直結してその社員の性能を測ります。
ただし、このサイエンティフィック・マネジメントは「便宜的」につくられたものとも言えます。どんなに社員の能力を客観的に図ろうとしても、これに矛盾があったのは、社員の能力は数字と言う結果と実は全く関係が無いとう事実が分かったからです。だから、社員の評価というのは主観しか無いのです。
例えば、車を洗うのが非常に早く、効率的な人(A)が居るとします。彼は早いだけでなく、洗えば隅から隅までピカピカ。一方、もう一人(B)は車を洗うことよりも、天気予報ばかり確認しており、雨が数日中に降りそうなら、「洗え」と言われても車を洗おうとしません。
「洗車」という標準から、Aは優秀で、Bは劣っていると言えます。ただ、雨が降るのが確実なら洗車も無意味なので、実はBの方がリスク管理に優れていると言えます。
米国で間違いが起こって、必ずと言ってよい程、聞く言葉が「言われたことをやっただけだ。私は間違っていない」というものです。確かに、白黒と分かりやすい社会は生活しやすく、自分のことを守りやすいかもしれません。しかし、それが本当に社会にとって最高の結果を生み出すのでしょうか?
日本のようにドロドロと責任が曖昧となった社会から米国に来ると、この分かりやすさに皆は感動し、ここの生活を「楽」だと感じるようになります。確かに、責任が曖昧な社会で、決定権をもちがちなのは「権威」であって、これも不健康です。
この間、勉強会で「日本はご隠居様が決める」という言葉が出ました。ご隠居は長年生活し、様々なブラックスワンを体験したわけで、実はこういった立場にある人の方が方法論よりも正しい結論を出すことが多いのです。ご隠居と言っても権威でなく、実は村で多数決で選ばれた人なので、実はこれも民主的なんです。方法論とキャッチーなスローガンばかりに走って人を動かそうとする若いリーダーが何も結果を出せないのは、米国の政治で証明されているようにも思えます。何か世界の本質がこの不景気で見えてきた感じです。
ある革新的な米国の会社に顔を出した際、「社員の技能なんて関係ない」という過激な意見を聞きました。マネジメントにしてもエンジニアリングについても、ある程度の教育を受けている人なら誰でも方法論として学べる、という視点です。だから、その会社は、技能や経験でなく、本当の「賢者」のみを集めているという話でした。この会社は、この方針を始めてから、年商をこの1年で3倍以上にあげたということでした。
この不景気で誰もがレイオフなどロジスティクスに走る今、非常に目新しい経営論理ですが、実はこの不景気で敢えて有効だったのかもしれません。非現実的に簡略化されたロジスティックス的方法論が世界を破壊した今、本当に世界を本質的に見える人達が現実とのつながりを取り戻そうとしているのかもしれません。
また、お邪魔しますね。
3月に入ってからの文章を、去年の自分を取り巻く環境になぞらえて、考えていました。
イタリア植民地で働く私の周辺も、文中と同様に「退職勧奨」という名のレイオフが、大々的に実施されました。人員が半分近くまで減り、自分を含めた社内に暗い空気が立ち込めていた時に、友人と話し合ったり、自分で考えて至った答えのなかで、特に心掛けているのは「コミュニケーションをしっかりとる」ということです。
茂山の文中でも随所に表現されていますが、クライアントの要望、社内外関係者との打合せ、HQとのコレポン・・・大概の事柄は「コミュニケーション」が鍵を握っているような気がします。
「和を以って・・・」の影響か、元来日本では、はっきりと自分をアピールすることは「卑」であったり「無粋」とみなされ「察する文化」となったのだと思います。特に一昔前の、技術、職人の世界でも「技術は盗むもの」という形で育まれていったのだと思います。私自身もHQの人間から「Noboruはresponsibleだがaccountableではないね」と言われていましたし、何がいけないのかわかりませんでした。
今でも私は「コミュニケーションをとる」ことは得意ではありませんが、特に異文化間では「石は投げてみないとわからない」とつくづく思うのです。
苦手と感じていた人たちとも「コミュニケーションをしっかりとる」ように心掛けてから、助けてもらう機会が確実に増えました。内容は、仕事の話ばかりではなくても、天気、洋服、車、スポーツ、ランチ情報・・・なんでもいいと思います。一個の飴玉ですらいいと思います。そこから自分が期待していた以上の結果やパフォーマンスが、あったりするから面白いですね。
ながなが、とりとめなく失礼しました。tsu
Posted by: Noboru Tsuzuki | 03/09/2010 at 11:13 PM